映画「名探偵コナン 迷宮の十字路」は2003年公開されました。
劇場版『名探偵コナン』シリーズの第7作目です。
迷宮の十字路は「迷宮のクロスロード」と読みます。
この劇場版「名探偵コナン 迷宮の十字路」ネタバレと結末、犯人やトリックを紹介します。
伏線部分にはアンダーライン
推理回答にもアンダーラインを引いておきますね^^
「名探偵コナン 迷宮の十字路」あらすじ
監督:こだま兼嗣
脚本:古内一成
原作:青山剛昌
主題歌: 倉木麻衣
「Time after time〜花舞う街で〜」
この「名探偵コナン 迷宮の十字路」では、工藤新一と並んで西の高校生探偵と称される服部平次が大活躍のストーリーです。
コナンよりも服部平次の方が活躍します。
そんな服部平次の初恋を絡めて、連続殺人事件が幕をあげます。
東京・大阪・京都での連続殺人。
被害者は古美術品を狙う窃盗団「源氏蛍」のメンバー達。
義経ゆかりの事件を彼らは解決する事が出来るのでしょうか?
「名探偵コナン 迷宮の十字路」ネタバレ
大阪府警本部長を父に持つ平次は、幼い頃咲き誇る桜の下で遊ぶ少女に目を奪われます。
和装で楽しそうに鞠をついて遊ぶ名も知らぬ少女・・・
それが彼の初恋でした。
そんな彼の初恋を絡めて、連続殺人事件が幕をあけます。
それは東京と関西で同時に起こった殺人事件が発端でした。
夜の境内で、誰かを待っている様子の男が3人・・・
それぞれ[義経記]とある紙を持っています。
彼らはこの紙の謎を解いたという人物を待っているのです。
ところが、そんな彼らの前に現れたのは、和装に能面姿の犯人でした。
突然射られた矢によって一人が襲われたかと思うと、慌てふためく二人もあっという間に犯人の剣の前に倒れたのでした。
これと時を同じくして、大阪のたこ焼き店の店主、そして京都のスナックに務めるウェイターもまた殺害されてしまいます。
この被害者たちもまた、持っていたのは[義経記]。
犯人は彼らの持っていた[義経記]を持ち去ったのでした。
「名探偵コナン 迷宮の十字路」窃盗団源氏蛍
警察からは一連の事件の被害者5人が、源氏蛍のメンバーであるという発表が出されます。
源氏蛍といえば仏像などを盗む窃盗団で、彼らはみな義経の家来の名で呼ばれているのが特徴・・・義経、弁慶と始まり全部で八人の名前が上がります。
5人殺された事で、残りは義経・弁慶・伊勢三郎・・・
この3人については年齢も性別も何も分かっていません。
会見には、白鳥刑事の同期でもある京都府警の綾小路警部も参加しており、東西が組む合同捜査として事件解決へと動き出したのでした。
それから数日後の大阪、自室で源氏蛍について書かれた週刊誌を読む平次。
そしておもむろに上着を着ると、机の引き出しから巾着を出し、そこから取り出したキラキラと光る小石を手に家をあとにします。
その頃、コナンは毛利に届いた依頼に応えるため、蘭や園子と一緒に山能寺というお寺に来ていました。
依頼者の龍円という僧侶と、住職の円海に迎えられた一行。
そこには寺の檀家衆も数人来ていました。
古美術商の桜正造・能楽師の水原春太郎・古書店経営の西条大河です。
彼らは檀家というよりも剣道仲間だと紹介した龍円は、早速依頼の説明を始めました。
明々後日から一般公開される12年に1度の御開帳を前に、ご本尊の薬師如来像がないというのです。
ご本尊が盗まれたのは8年前のこと。
しかし円海の指示により警察への被害届は出されていません。
縁があればまた戻ってくる、というのが円海の考えなのです。
「名探偵コナン 迷宮の十字路」謎の絵
ところが今になって寺の郵便受けに不思議な手紙が届きます。
「この絵の謎を解けば仏像の在り処が判る」
そう添えられた一文と共に、まるで雛壇のような物に様々な絵が書き添えられた紙が入っていたのです。
それは―――殺された5人もまた解明に取り組んでいたもの―――
そんな事とは知らない毛利たちは、首をかしげつつも謎解きに挑みます。
一番上の五段目に書かれているのはセミ・天狗・金魚の絵、四段目には鶏・黄色いどじょう?・そしてそのどじょう?と五段目の境には点のようなものが・・・
更に二段目と三段目の間にはスミレと天狗・富士山、その横には段から離れてどんぐりが・・・
さっぱり分からない絵を前に汗をかいている毛利。
しかし時間はありません。
苦悩する毛利ですが、そんな彼を置いてそっと寺を出たコナン―――
彼が向かったのは有名な五条大橋です。
義経と弁慶が初めて会った場所とされる五条大橋。
しかしあの絵と関連しそうなものは見当たりません。
そこでコナンは平次と久しぶりの再会を果たしたのでした。
二人はお互いの近況を話す事で、同じ事件の解明に取り組んでいる事を知ります。
「名探偵コナン 迷宮の十字路」服部平次の初恋
平次は昼間、被害者となったたこ焼き店周辺を訪れていました。
彼はそこで、とある出会いを果たします。
ひったくりにあったお茶屋の女将・山倉多恵を助けた事で、千賀鈴という舞妓と知り合っていたのです。
コナンと再会したことで、あの絵というヒントを得た平次。
そこで、平次の案内で義経ゆかりの場所を巡る事になります。
弁慶石へ到着した時でした。
二人の前に綾小路が現れます。
平時の後をずっと備考していた彼は、大阪ではないのだから素人は首を突っ込むな、と言いに来たのです。
しかしそんなことでめげる二人ではありません。
コナン達は義経大日如来を訪れたりしつつ、昼休憩を挟みながら事件の解決へと挑むのです。
天気もよく満開の桜並木を歩くうち、8年前の初恋が思い出される平次。
一瞬の出会いでずっと心に残っている少女・・・
鞠つきをする彼女を追って外に出た平次ですが、既に少女の姿はなく残されていたのは小さな光る石だけ。
水晶玉のようなそれを見たコナンはその小石に見覚えがあるような・・・
しかし詳しく思い出す事は出来ません。
それよりも気になるのは、その初恋を和葉は知っているのか?という事です。
ちょうどその頃、和葉は蘭たちと一緒にいました。
清水寺に観光に来ていた蘭たちと再会したのです。
しかし、京都には平次の初恋の相手がいると、浮かない表情の和葉。
彼女がそれを知ったのは、平次が載った雑誌のインタビューでした。
そこで彼は、あの水晶玉を手に幼い頃の写真まで載せて初恋を語っていたのです。
それに、もう一度会いたい、という平次の強い思いを感じ取った和葉・・・。
それでも折角の蘭達との再会だ、と無理やり気分を変えるのでした。
コナンと平次が最後に向かったのは鞍馬寺です。
寺に近いとバイクを停めた西門には、平次の他にも一台、バイクが停車されていました。
山道を登る二人に注がれる視線。
牛若丸が剣の修行をしていたその場所で、二人は何者かに襲われます。
弓を使って襲撃してきた犯人。
コナンが庇ったことで事なきを得た二人は、逃げる犯人を追い始めました。
山道を駆け下り、バイクを使っての追走劇です。
しかし鞍馬駅そばの線路で、犯人は他板発煙筒の煙に紛れて逃げてしまったのでした。
「名探偵コナン 迷宮の十字路」新たな事件
山能寺に帰ってきた2人ですが、そこに毛利の姿がありません。
一席設けられて先斗町へと行っているというのです。
怒りに燃える蘭に連れられ、その席へ踏み込んだコナンと平次、それから園子に和葉。
そこには檀家衆の他に、お座敷に呼ばれた千賀鈴がいました。
思いもよらぬ再会に驚く二人。
そんな姿を何者かが目を鋭くして見つめていますが、その視線には誰も気付きません。
檀家衆は、源氏蛍の持つ[義経記]をそれぞれも持っていて読んだと話します。
西条は、あれはほとんど弁慶の話だったとあまり好んでない様子ですが、水原などは好きな一節があり諳んじるほど読み込んでいるようです。
その時、酔いが回ったのか桜は階下の部屋で仮眠を取るため席を外します。
九時にお越して欲しいと女将に頼み彼は一人部屋を出たのでした。
桜が席を立ってからも宴席は続きます。
ふと平次は部屋の外すぐの鴨川に綾小路がいる事に気付きました。
下のベランダへと夜桜見物に向かった蘭たち女子3人を見送ると、コナンと平次が残った部屋ではお座敷遊びが始まります。
その間も入れ替わり立ち代わりトイレに立つ面々。
そうこうするうち九時を迎えました。
ここでまたも事件が起こるのです。
起こしに向かった女将が見つけたのは、変わり果てた姿の桜・・・。
鋭利な刃物で右頚動脈を切られ仰向けに倒れている桜は、納戸の中を物色している最中に襲われたようです。
しかし札束の詰まった財布は腹の上に置かれたまま・・・
物取りの犯行ではない。
そう推理しながら遺体のポケットから鍵の束を取り出したコナン。
そこへ到着したのが綾小路です。
彼の到着で現場検証が着々と進み始めました。
表の戸を開ければ音がするし女将が気付かないはずがない、という状況下での殺人。
下の部屋で寝ているはずの桜が、何故か納戸にいた事を犯人は知っていた、と仮定して検証は進みます。
座敷にいたメンバーはそれぞれが一度は席を立っていました。
この中に犯人がいるのか―――?
その謎を解くため、桜から拝借した鍵の束を持ってコナンは座敷を後にしたのでした。
向かったのは桜の古美術店。
指紋を残さないようにし手袋をして書斎を漁るコナンと平次。
そこで彼らは桜があの伊勢三郎だという事実を発見しました。
つまり、山能寺にあの紙を挟んだ手紙を送ってきたのも桜だということ・・・。
寺に戻ったコナンはこの事実を報告すると、あの絵の本物は犯人が持っていったんだ、と話します。
しかしその犯人とは一体・・・?
桜殺害の現場検証では全員が身体検査も受けましたが、凶器は出てきませんでした。
川に捨てたんじゃないか?というコナンの言葉に大きく頷いたのは園子です。
水音が跳ねる音を聞いたというのです。
とはいえ、川を捜索した警察からは何も見つからなかったとの報告が上がっています。
「名探偵コナン 迷宮の十字路」平次のピンチ
結局解決への緒さえ見つからないまま帰ることにした平次。
後部座席に和葉を乗せてバイクを走らせていた時でした。
後ろから弓矢を構えたバイクが追ってきたのです。
平次が逃げ込んだのはとある公園。
そこで彼は犯人と直接対峙し、戦いが始まりました。
能面を付け、木刀を投げ寄越す犯人。
幼い頃から習ってきた剣道には自信のある平次ですが、犯人の打ち込みの前には防戦一方です。
ついに平次の木刀を弾き飛ばした犯人は、懐からナイフを取り出し襲いかかります。
平次はポケットを切り裂かれながらもなんとか避け続けますが、ポケットから落ちた巾着を拾った瞬間、彼をふらつきが襲いました。
機転を効かせた和葉のおかげで命拾いした平次ですが、症状は軽くなく病院へ運ばれることに・・・。
それでも病室で事件解決の事ばかりが頭を占める平次。
犯人の残していった短刀が桜殺害の凶器だと確信している彼は、いずれ鑑定結果が出る短刀以上に犯人の身につけていたものさえ奪えていれば、と悔やんでいます。
それを聞いて思い当たる節のある和葉。
そっと病院をあとにします。
蘭に、平次を頼むな、と言い残して・・・。
「名探偵コナン 迷宮の十字路」容疑者
ところが蘭が向かった病室に彼の姿はありません。
平次もまた病院を出て、コナンと一緒に地下鉄移動を始めていたのです。
2人はまず水原を訪ねます。
そこには西条と龍円も揃っていた為、彼ら3人に平次が襲われた時間帯のアリバイ調査を始めたコナン達。
しかし3人とも第三者に証言して貰えるような確固たるアリバイを持っていません。
弓道についても、3人は触った事がある程度だといいます。
ではあの座敷で弓道をやっていた人は、と問うと西条が、ヤマクラが・・・と呟きました。
しかしあの場に山倉多恵の姿はなかったはず。
そう指摘されて大いに慌てる西条ですが、ちょうどそこへ千賀鈴がやってきます。
舞妓姿ではない為別人のような面差しではありながら、出迎えた西条と共に右足を引いて座る千賀鈴。
話を終えたコナン達は、千賀鈴と一緒に京の街を歩きます。
小路を歩きながら手毬唄を口ずさむ千賀鈴・・・
それはあの日平次が聴いた初恋の人の歌です。
この手毬唄には町の名前が編みこまれており、京都の子はこれで町の名前を覚えるのだといいます。
千賀鈴の年齢は19、京都生まれだという彼女に平次は、初恋相手は千賀鈴だと確信を強めていくのでした。
二人が山能寺に戻った時、そこには少年探偵団のメンバーと灰原がいました。
ところが元太の姿がありません。
迷子になった上に京都の地名が読めない彼を探すため、コナンや平次も協力します。
その途中、阿笠博士に調合した薬を差し出す灰原を見たコナン。
彼女は様々な薬を自作していますが、これがよく効くらしいのです。
そうこうしているうちに、六角堂にいた元太を発見。
彼が持っているバッジから出る周波数がコナンの眼鏡と連動する事で見つけられた―――
その瞬間、何かを閃いたコナンと平次。
2人は同時に、桜殺害の犯人は凶器を川に捨てたんだとの確信を得たのです。
ということは、やはり龍円・春川・千賀鈴・西条の中の誰かが犯人で間違いありません。
しかし平次は、初恋の人・千賀鈴だけは絶対違うと言います。
それでも彼は彼なりに千賀鈴に対して引っかかることがあり・・・
彼女が歌う手毬唄と少女が歌っていたそれの歌詞が一部違うようなのです。
♫姉さん六角を、という部分を♫嫁さん六角、と初恋の少女は歌っていたのでした。
その頃、平次が襲われた公園に和葉がいました。
彼女は、自分が投げた石で欠けた犯人のお面を探しに来ていたのです。
しかしそんな彼女を監視する犯人の姿が・・・
和葉はかけらを発見しますが―――。
警視庁では目暮が、最初に東京で殺された三人の遺留品を前に頭を抱えていました。
同じ色同じ柄の帽子・マフラー・手袋をそれぞれ身につけていた3人。
まるで死んだ誰かの遺留品を3人で分けたように見える・・・
そう佐藤刑事が口にした途端、それだ!と言って立ち上がった目暮。
彼は京都に出向いている白鳥に電話で知らせます。
義経か弁慶はもう既に死亡しているかもしれない、と。
源氏蛍のメンバーは、2トップどちらかの死を悼んで形見分けされた遺品を身につけていたのではないか、というのが東京からの考えでした。
それも含めて毛利に報告する白鳥。
彼は千賀鈴についても彼女の経歴を話し始めます。
幼くして母親と死に別れた彼女は、その時から山倉多江の元で暮らしてきました。
そこには毎月誰だかわからない父親から送金がありましたが、何故か三ヶ月前を最後に途切れています。
「名探偵コナン 迷宮の十字路」トリック
これらの情報を元に、関係者を山能寺に集めた毛利が推理を展開させます。
彼が指摘した犯人は千賀鈴。
彼女の父親を義経だと仮定して始まった推理は全く整合性に欠け・・・
彼女の親指付け根の傷を取り上げ、それは弓道をする人にできるケガだ、と大見得を切るも、そういった怪我は初心者に多いもので、とても平次を襲ったような達人級に射られる弓道家が作るケガではないのです。
ところが毛利とその場にいた人々とのやり取りを聞いていたコナンと平次には真犯人が見えました。
そのためには証拠と仏像の在り処を見つけるしかない!
その時、綾小路のシマリスにどんぐりを上げようとしていた元太が、一つこぼして池に落としてしまいます。
それを見て閃いたコナン。
別室へ飛び込むとあの絵を取り出し解読を始めました。
この絵は京都の通りの名前だと見抜いたコナンは、五段目は五条通り、天狗は烏天狗から烏通り、と次々に通りの名前を当てはめていきます。
平次と協力しあって地図を完成させたコナンは、遂に仏像の在り処を突き止めました。
すぐに山能寺を飛び出した平次ですが、途中荒い呼吸を吐き出すと立ち止まってしまいます。
入院先から抜け出しているだけに、未だ本調子ではないのです。
そこでしばし休憩を挟む2人。
そこでコナンは、八年前に平次が見つけたあの水晶玉について推理を話し始めました。
あれは初恋の人の落し物ではなく、盗まれた仏像の額にはめられていた白毫だというのです。
ずっと白毫を探していた源氏蛍は、雑誌に水晶玉をもって載っている平次を見て、あの時の少年が彼だと気付いた・・・
そして、それと時を同じくして義経が病に倒れてしまった―――。
死期を悟った義経は盗んだ仏像を別の場所に隠し、その場所に迫る謎を残して死んだのです。
おそらくは、謎を解いた者を後継に、との遺言を残して・・・。
桜が殺されたのもの後継に絡んでのことでした。
剣道が得意な犯人に手を組もうと持ちかけ、他の子分を殺そうとしたのです。
自分だけが盗品の販売ルートを確保していると安全圏にいたつもりの桜。
しかし犯人は、桜が居らずとも大丈夫だと、彼の作戦に乗ったふりをして宝の独占を目論んだのです。
そこで謎を解くために白羽の矢を立てたのが毛利だったのでした。
「名探偵コナン 迷宮の十字路」犯人
話しながら目的地へと向かっていたコナン達は、やがて佛光寺に到着します。
しかしここは違う気がする・・・
そう言ったコナンが門の外を確認すると、そこは玉龍寺の跡地でした。
その時、平次の携帯がなります。
ボイスチェンジャーを使って、一時間後に鞍馬山の玉龍寺に一人で来るように、と話す犯人。
和葉が攫われたと知り驚き焦る平次ですが、急に彼は頭の痛みを訴え倒れてしまいました。
鞍馬山の玉龍寺では、目隠しをされた状態の和葉が監禁されています。
犯人は一人ではなく複数いるようで、そのうちの一人が師範の指示を受け和葉が置かれている部屋に入ってきました。
鬼の刀は弁慶の、弓は六角の引き出しに・・・
そう言って何かしているようです。
そして迎えた約束の時間。
松明が焚かれた明るい境内に平次がやってきました。
犯人に捕らえられた和葉を見るとあの水晶玉を取り出し、犯人に向かい犯行の全てを暴き始めます。
これを奪うために俺を襲ったものの、それに失敗した犯人は桜を襲ったのだ、と。
桜を襲うにはどうしても先斗町でなければいけない理由がありました。
すぐ側を川が流れているという条件が必要だったからです。
茶屋の納戸で仏像を探していた桜を殺害後、警備会社が使う迷子防止の端末を凶器や絵と一緒にペットボトルに入れて流すために・・・。
これこそが、あの場にいた犯人が凶器を捨てられたトリックでした。
そして犯人はこのトリックを利用するのと同時に、平次を襲ったとき凶器を現場に残すことで、桜殺害時の犯人は凶器を持って逃げた、と思い込ませたのです。
一気に話した平次は、和葉を捕える能面の男に声をかけます。
西条さん、と―――。
能面を外した男は確かに、西条大河でした。
平次は、彼が弓をやっている事を隠した時から西条に不信感を持っていました。
右足を少しい引いて座る所作、それは弓道を嗜むものなら誰もが習得していること、そして斎場が口走った「山倉」というのは山倉多江のことではなく弓を引くときに矢を乗せる枕「ヤマクラ」のこと・・・。
全てを聞いた西条は、開き直ったかのように自身の義経への傾倒ぶりを語り始めました。
龍円らと習っていた剣道を辞め、義経流を継ぐ決意を固めるほどにのめり込んだ西条・・・
ところが義経の名前は源氏蛍の頭領に取られ、段位が一番上だった西条に与えられたのは弁慶の名前。
それでも彼は義経流再興の為、洛中に道場を作る為に宝の独占を思いついたのでした。
その為に龍円を利用して毛利を呼び寄せ、独自に販売ルートを開拓した事で桜を殺害したのです。
「名探偵コナン 迷宮の十字路」工藤新一
水晶玉を寄越すようにと迫る西条。
和葉を返してもらいたい平次の弱点をついて、仏像のありかも聞き出します。
仏像ならここにあると言われ激昂する西条。
この廃寺となった玉龍寺は頭領が住職を勤めていたこともあり、隅々まで捜索していたからです。
平次が嘘を言っている、と真剣を持ち出して襲いかかります。
木刀を持ってその太刀を浴びる平次は防戦一方。
こんなの平次じゃない!と和葉が叫んだ時でした。
平次の帽子が弾かれ・・・
現れたのはなんと工藤新一です。
コナンが新一に戻れたのは灰原のおかげでした。
実験じみたものではあるけれど、その薬のおかげで本来の姿を取り戻した新一。
しかし体は強い風邪をひいているような状態で、命の保証はありません。
フラフラになって和葉を庇うのが精一杯なのです。
しかも、薬が切れかけてきて今にもコナンに戻ってしまいそう・・・。
その時、本物の平次が境内に飛び込んできました。
倒れて病院へ運ばれたにもかかわらず再び脱走してきたのです。
そして新一を逃すと、和葉をかばいつつ剣をふるい始めたのでした。
和葉を連れ逃げ込んだのは寺の内部です。
身を隠した場所は、万葉が閉じ込められていた部屋でした。
外では西条と手下たちがドアを破ろうと物凄い勢いで押しかけています。
平次の刀はもうとうに折られ、武器となるものがありません。
その時、和葉が思い出しました。
弁慶の引き出しに刀が収められていたことを―――。
二人の前にそびえ立つのは大小様々な大きさの引き出しが無数にある大きなタンスです。
平次が引き出しの線を京都の通りと同じだと閃いたことで、あの手毬唄を歌って引き出しを割り出そうとする和葉。
そうして探し当てた刀を引き抜くと、入口を破って襲いかかってきた西条の剣を受け止めます。
妖刀村正を手に、和葉を連れて再び境内へと戻った平次。
ここで敵を引き付けるから、と和葉を逃がします。
しかし容赦なく襲い掛かる手下たち。
和葉を救ったのはコナンの蹴り飛ばしたボールでした。
平次の機転により、コナンに戻ってしまいそうな体を抱え境内をでた新一。
途中、木によりかかり体の消耗に耐えているとこに現れたのは蘭でした。
彼女は、円海住職から二人が佛光寺へ向かったと聞いて走り、そこで玉龍寺跡地という石塚を見て鞍馬山に来ていたのです。
山を進むにつれて増す物々しい雰囲気を感じ取りながら歩いていた蘭が見つけたのが新一でした。
久しぶりの再会・・・
しかしゆっくりしている時間はありません。
心の中で詫びながら、新一は己の正体が彼女にバレないよう、蘭に針を使って眠らせたのでした。
「名探偵コナン 迷宮の十字路」最後ラスト結末
そうしてコナンに戻った体で、再び境内に戻ってきたのです。
とはいえ、敵の数が多すぎ、このままでは埓があきません。
そこで彼はいたる所で焚かれる松明を使って火事を起こそうと考えました。
燃え盛る炎に追われるようにして屋根に登った西条と平次。
強力な毒を塗り込めて小太刀を使う西条に押される平次は、屋根から転げ落ちる瞬間を手下からは弓で狙われています。
一方的に攻め込まれる平次を見て、弓矢を反らせることを思いついたコナン。
咄嗟に時計を光らせるとそこに向かって矢を放たせ、ベルトから出したボールを強く蹴り西条に命中させました。
とどめに平次が、彼に峰打ちしたことでやっと連続殺人犯の確保と相成ったのでした。
翌早朝の山能寺。
毛利は仏像が見つけられなかったと謝罪を残して東京に帰ります。
ところが、本道を開けた龍円たちはびっくり。
そこには8年前に消えた仏像が・・・!
額には白毫も輝いています。
これは、西条にボールを蹴り込むため上空高く飛び上がったコナンが見つけたものでした。
高い位置から俯瞰で見ると、玉龍寺の建物自体が「玉」という漢字を示している事が分かったのです。
そこでコナンは平次と二人、薬師如来の奪還に成功したのでした。
駅で新幹線を待つコナンたちを、平次と和葉、それから千賀鈴と綾小路が見送りに来ています。
怪しまれた千賀鈴の父親ですが、彼女は実の父を知っているとのこと。
送金については自分から断ったのだと笑って話すのでした。
・・・・なんと父親は、和尚だったのです!
和葉はまたあの手毬唄を口ずさみ始めました。
その歌詞の間違いを突っ込む平次。
和葉は懐かしそうに八年前の事を話し始めました。
京都に遊びに来て支度をしてもらっていた和葉。
そんな彼女の準備が整うのを待ちきれなかった平次は、一人先に山能寺へと遊びに行っていたよね、と。
あの時は少しお化粧もして貰って可愛く髪を結い、平次を探しに行ったが見付からなかった為、満開の桜の木の下で鞠付きをして帰ったと話すのです。
なんと大きな勘違い。
平次の初恋の人は和葉だったのです。
やっと会えたって事か・・・と呟きながら、和葉には真相を教えない平次なのでした。
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