名探偵コナンの人気キャラクターの怪盗キッド。
実は怪盗キッドは「まじっく快斗」という漫画の主人公でもあるのです。
今回はこの「まじっく快斗」の5巻に収録された「怪盗淑女」というストーリーがあるのですが、ここから名探偵コナンのストーリーにつながるというウルトラCの展開があるのでそれをご紹介します。
怪盗淑女 前編ネタバレ
いつものように仕事を終えてハンググライダーで飛び立つ怪盗キッド。
中森警部は「ハンググライダーはいつものダミーだからと博物館から出る人間をしっかりチェックするように」と指示を出します。
そんな中、博物館から走って出ようとした少女を機動隊員が引き留めました。
しかし「わたしは中森青子よ!!」と引き留められた少女は言います。
青子はキッドを追う中森警部の娘で、お弁当を届けに来ていたのです。
他の機動隊員の口添えもあってすぐに解放された青子。
外に出た青子は「悪いな青子・・・またオメーの顔、借りちまったぜ♪」とニンマリ。
実はこの青子、怪盗キッドこと黒羽快斗の変装だったのです。
宝石を観察したキッドは目当てのものではなかったと宝石を警視庁の中森警部宛の封筒に入れて送り返すことに。
気になるのは宝石に貼られていたシールです。
「怪盗キッドよ・・・次は私のターンだ・・・月が猶予う土曜の夜・・・穢れ無き杭の頭に貴殿の宝石を封じて、18年前の借りをお返ししよう・・・」
穢れ無き杭の頭の意味が分からず、そもそも18年前はまだ快斗が生まれていません。
人違いだろうと封筒をポストに入れてご機嫌です。
そんな青子(キッド)の様子を怪しい男が写真に収めていました。
とある会議室。
怪しげな男たちが怪盗キッドについて話し合っています。
片方だけがサングラスになったメガネをした郷津は、キッドを捕まえるための厳重な包囲網を簡単にくぐる唯一の人物が青子であり、キッドと特別な関係にあると言います。
まさか・・・と言う男達に郷津は、マジシャンはそのまさかと言う心理を利用していると説明しました。
そしてなぜキッドが盗んだ宝石を中森警部に返すのか、その理由は中森警部がキッドを操る黒幕だと言うのです。
青子が怪盗キッドで、中森警部が用意した逃走経路で逃げて宝石を返していると言う郷津。
そして18年間キッドから損害を被ってきたという郷津は、キッドを捕まえるための罠を用意していると言います。
学校で新しいヘアピンを付けて喜ぶ青子。
東都タワー型のそのピンは、今度の土曜日に行われる東都タワーの特別展望台でのディナーの招待券とともに届いたと言います。
展望台ではある大富豪秘蔵のコレクション展が行われていて、そこに来週から飾られたルビーをキッドが狙うはず、という青子。
そこで青子は下見を兼ねて中森警部と行こうとしたものの、結局紅子と行くことにしたそうです。
こそっと快斗にこの招待状は怪しいと言う紅子。
目立つことはしないようにと、「出る杭は打たれる」ということわざを使って忠告します。
その言葉で何かに気付いた様子の快斗。
そして土曜日。
東都タワーに中森警部が現れ、青子とディナーに行くことにしたといいます。
キッドの変装と気づいた紅子はさっさと身を引きます。
展望台に上がった青子は大富豪のコレクションに大はしゃぎです。
壺や彫刻に混ざって車も飾られています。
キーをひねるとエンジン音がするという事で青子がさっそく乗ってひねると、音どころか排気ガスまで出てきました。
快斗が驚いていると突然、運転席に仕掛けられていた手錠がハンドルを握る青子の手にはめられました。
さらに発生した麻酔ガスで眠ってしまった青子。
そこに「久しぶりじゃのォ怪盗キッド・・・かれこれ18年ぶりじゃ・・・」と表れたのが郷津です。
「お前は怪盗を引退して警部になり・・・娘に引き継がせた・・・」ととんでもない勘違いを言います。
そしてこの状況を知っているような気がしたキッド。
そんなキッドにお構いなしの郷津は青子に送ったヘアピンに発信機が付いていたと言います。
発信機も壊さないとはキッドを買い被りすぎた、という郷津に罠だとわかっていたと答えるキッド。
「汚れ無き杭の頭」というあのメッセージは、新しくできた東都スカイツリーに抜かれてしまった東都タワーの事だったのです。
暗号に気付いたことに感心しながらも「あの時と違い、お前の相方は使い物にはならんぞ?」という郷津。
「女二十面相とうたわれて18年前にパリで姿を消した・・・怪盗淑女、ファントム・レディじゃよ!!」
18年前のパリ。
警察官を血のりの出るオノで脅かし失神させ、赤外線を華麗に越えて目的の宝石がはめられたバイクまでたどりついたファントム・レディ。
偽物ね・・・と宝石を見るファントム・レディの後ろから突然拍手がしました。
見事な手際だが血のりまみれで失神させるのはいただけない、という人影。
白いスーツに身を包んだ男は「黒羽盗一・・・ただの奇術師ですよ・・・」と名乗りました。
怪盗淑女 後編ネタバレ
黒羽盗一を知っているというファントム・レディ。
なぜここにそんな派手な格好でいるのか尋ねると、来月から行うショーのように用意したルパンをイメージした衣装であると言います。
そう語りながら近づく盗一。
暗視ゴーグルが無くても近寄ってくる盗一は、センサーの位置を覚えているようです。
ファントム・レディの狙いである、またがったバイクにはめられたダイヤが偽物だという盗一。
このバイクは盗れたことにして後から闇で大量にさばく品であり、2年間活動していなかったファントム・レディが盗む価値はないと盗一は言います。
しかしファントム・レディは今夜このバイクをファントム・レディが盗むという予告状が送られているから仕方がなく来たと言うのです。
詳しい話は後でと盗一はこの場を去ろうと言いますが、ファントム・レディはこの偽物のバイクをパリ市警に送るために乗っていくと言います。
それを止める盗一。
その時、バイクのボディから出た手錠がファントム・レディの手首をとらえました。
そして現れた男達。
若き日の郷津です。
盗んだ品を警察に送り返されるために模造品が売れない郷津は、ファントム・レディを始末することにしたのです。
連れがいることに驚きながらも郷津ですが、ファントム・レディに銃を向ける郷津。
盗一はファントム・レディの後ろからバイクにまたがると、バイクを発進させました。
そしてガラスを突き破って夜空に飛び出したのです。
驚き喚くファントム・レディの口を口付でふさぐ盗一。
その間に起用に手錠を外したおかげでバイクだけが地面にたたきつけられました。
ファントム・レディを抱えて大空を飛ぶ盗一。
その姿を多くのやじ馬が目撃しています。
もうこの衣装はショーに使えないからと盗一は、このコスチュームを世間のファントム・レディに関する記憶を消し去る大怪盗用のものにすると言いました。
「なので君には怪盗をスッパリ引退して・・・私の宝石箱に収まっていただきたいんだが・・・」
という盗一にファントム・レディがその宝石箱に他の宝石が入っていないかと尋ねました。
「そうか・・・この状況って・・・この前、母さんがのろけてたおやじとの馴れ初め話にそっくりじゃねーか!!」とつぶやくキッドとそうとは知らない郷津。
18年前のように車で逃げてもいいけど、この車では窓枠を通らないと言います。
この場でキッドを始末しようとする郷津に「怪盗がそうやすやすと・・・命なんか盗らせるかよ!?」と変装をといたキッド。
キッドが出した煙に巻かれてせき込んだ郷津達が顔を上げるとキッドの姿はなく、代わりに1周して後ろから車とともにやってきました。
そして郷津達を追い抜かしたキッドは、片輪で立つように運転すると横では通れない窓を縦にして通り抜けたのです。
その様子を見てあわてて逃げようとする郷津達。
しかし郷津達はキッドが1周した際に巻き付けたワイヤーによって、壁にとらえられてしまいました。
その頃キッドは落下しながら青子に付けられた手錠を外そうとしますが、鍵開けの針金を落としてしまい開けることができません。
その時キッドは青子が付けたヘアピンに気が付きました。
急いでヘアピンを外して手錠の鍵を開け、何とか逃げることができました。
その間ずっと寝ていた青子。
父親はこの時母親にキスしたことを思い出しつつも自分のせいで怖い目にあったし・・・と今日のところは止めておくことにしたキッドなのでした。
「18年前のあの悪党、まだ捕まってないならそう言えよな!!」と外国にいる母親に電話で文句を言うキッド。
そしていつ帰ってくるのかと尋ねます。
しばらく帰れそうにないという母千影は、郷津の弟子が同じように私腹を肥やそうとしていると言います。
その証拠が物置にあるからそいつらも懲らしめて!と電話を切る千影。
送られてきたメールには「坂本龍馬の遺品3点セット」と書かれていました。
「坂本龍馬の遺品3点セット」は名探偵コナン70巻、アニメ627、628話の「コナンキッドの竜馬のお宝攻防戦」につながるプロローグだったのです。
それにしても盗一、快斗や新一以上にキザなのですね。