映画「名探偵コナン ベイカー街の亡霊」は1999年公開されました。
劇場版『名探偵コナン』シリーズの第6作目です。
この劇場版「名探偵コナン ベイカー街の亡霊」ネタバレと結末、犯人やトリックを紹介します。
伏線部分にはアンダーライン
推理回答にもアンダーラインを引いておきますね^^
名探偵コナン ベイカー街の亡霊あらすじ
監督:こだま兼嗣
脚本:野沢尚
原作:青山剛昌
主題歌: B’z 「Everlasting」
今回の事件は、ちょっと風変わりな事件です。
人工知能の暴走に巻き込まれたコナン達少年探偵団。
ゲームの世界と現実の世界、次元を隔てた2つの世界で事件解決に向けて展開していきます。
ゲームの世界ではコナンが、
現実の世界では、コナン(工藤新一)の父、工藤優作が活躍します。
果たしてコナンは生還できるのでしょうか?
「名探偵コナン ベイカー街の亡霊」すべての始まり
10歳にしてマサチューセッツ工科大に通う天才少年ヒロキ・サワダ。
彼は皮膚や血液のデータからその人間の先祖を突き止める事が出来る[DNA探査プログラム]を開発して世間を騒がせた大学院生です。
そんな彼の次の研究は人工知能。
一年で人間の5歳分もの成長をする人工知能の開発のため、彼は一人机に向かい続けています。
両親の離婚により母親とアメリカに渡ってきたヒロキですが、その母が病死した今バックアップしてくれているのはIT業界の帝王トマス・シンドラーです。
しかし世間的には父親替わりと言われている彼ですが、本当はヒロキを監視下に置いて公園で遊ぶ事もさせないほど開発に縛り付けているのが実態・・・。
旧約聖書の「ノアの方舟」の名を冠した人工知能[ノアズ・アーク]は人類史上最大の開発と言われています。
一心不乱にパソコンに向かっていたヒロキ。
画面に「Noah’s ark」の文字が点滅し始めると、彼はやっと一息つきました。
そして彼がエンターキーを押した事でパソコン画面が光りだします。
そして鳴り響く警報器。
ヒロキは電話の一般回線にプログラムデータを流したのです。
そして彼は、「ノアズ・アーク出航」との文字が浮き出た画面を寂しそうに見つめ、サヨナラと口にするとそのままテラスに出て高層階から身を投げたのでした。
警報の音に慌ててヒロキの部屋に飛び込んだシンドラーですが、パソコン画面を見て愕然とします。
そこには「さよなら、ヒロキ」というノアズ・アークからのメッセージが浮かんでいたのでした。
名探偵コナン ベイカー街の亡霊ネタバレ
二年後の米花シティホール。
今夜はここでシンドラー社と日本のゲーム会社が共同開発した体感型ゲームが華々しくお披露目される事になっています。
駆けつけたマスコミが焚くフラッシュの嵐の中を進み、会場へと吸い込まれていく客の多くは著名人ばかりです。
新型ゲーム・コクーンは繭の形をしたカプセルに入り、催眠状態で音声認識システムを持つゲームと会話しながらVRの世界で遊ぶという最先端マシン。
金属探知機が備えられた厳重なゲートを進む中に、コナンたちの姿もありました。
しかしコナンを始めとして灰原や少年探偵団の子供たちがコクーンを体験出来るわけではありません。
世界初の最先端ゲームをいち早く楽しめるのは選ばれたセレブの子供たち五十人だけ。
そこへ園子がやってきました。
彼女も父親の会社が資金援助していた関係で五十人のプレーヤーの一人に選ばれていたのです。
羨む元太たち。
しかしそんな彼らに侮蔑の言葉を投げつけてきた少年たちがいました。
立場が違うんだよ、と馬鹿にしたように話す少年たち四人は、それぞれ親や祖父が権力者なのを傘日記て好き勝手な振る舞いをしているのです。
会場にサッカーボールを持ち込んでいた諸星秀樹は、祖父が警視総監という立場にあるにもかかわらずルールを守るという意識がありません。
誰に当たろうが関係ないといった態度でボールを蹴って遊び始めたのです。
注意する毛利の事も馬鹿にして、まともに説教を聞こうともしない少年たちのボールを抑えたのは、ゲーム開発者の樫村忠明でした。
彼は毅然とした態度で少年たちに、迷惑だとはっきり言います。
公衆道徳というものを親から教わらなかったのか?
そう口にする樫村は静かな口調で話すだけに、独特の迫力がありました。
親の権力を傘に来て脅しにかかる子供たちにも屈しない彼には、生意気な秀樹達も居心地が悪いようです。
やり込められて他の場所へと移動したのでした。
会場には阿笠博士と一緒に、真一の父親である世界的に有名な推理小説家・工藤新一も到着しました。
彼はコクーンの原作を担当していたのです。
その手伝いのため、一ヶ月ほどアメリカに渡っていた阿笠博士はゲームの参加バッチをコナンに手渡します。
お土産だと言って。
ゲームの舞台が100年前のロンドンだと聞いて興味を示すコナン。
彼はあの時代の世界観が好きなのです。
壇上に上がり紹介された優作も、やっと人々の輪から抜け出すと、樫村の姿を探し始めました。
彼は大学時代の友人だったのです。
その縁もあって手伝ったゲームの晴れ舞台の日。
久しぶりの再会を楽しみにしている優作なのでした。
この時、電気が落とされ暗くなった会場にレーサービームが飛び交い、壇上にコクーンが姿を現します。
人々の注目が一気に集まるこの時、一人の男が足早に会場を後にしました。
シンドラーです。
彼はストップウォッチを持ち急ぎ足で歩いています。
あと七分か・・・そう呟きながら。
名探偵コナン ベイカー街の亡霊の犯人
その頃、再び明かりのついた会場では、懲りない秀樹たちがまたサッカーをして遊んでいました。
場所を変えたとは言え会場内である事に変わりありません。
彼らは蹴りそこねたボールを会場に飾られていたブロンズ像に当ててしまったのです。
それはわざわざシンドラーが持ち込んだ彼の私物で、オブジェといってもいいような大きさのブロンズ像。
それにボールを当てたことで像の持っていたナイフを弾き飛ばしてしまった秀樹。
それでも彼はナイフを無視して遊びに戻ろうとしますが、流石にそれは祖父が見とがめました。
渋々ではあるもののナイフを像に戻した秀樹。
その頃シンドラーは地下にある樫村の部屋に来ていました。
ヒロキが作り上げたDNA探索プログラム、実は樫村が握っていたのです。
ヒロキから託されたプログラムを取引材料に、シンドラーからの償いを求める樫村。
帝国を崩壊させる程のシンドラーの秘密を知ってしまったヒロキ・・・
シンドラーはそれを知りながら、しかしヒロキなくして人工知能の完成があり得なかったため、十歳の子供にハードワークを課していたのです。
ヒロキの死後、突如自分のパソコンにDNA探索プログラムのデータが侵入した時、それを彼の遺志を継いだノアズ・アークの仕業だと確信した樫村は、全てを公表させて社会的制裁を彼に与えるつもりでした。
ところがしおらしい表情で償いの言葉を口にするシンドラーに隙を見せたことで、DNA探索プログラムだけでなく自分の命まで奪われてしまいます。
樫村の命を一突きで奪ったシンドラーは、変わった形の大きなナイフについた血液をその場で拭き取ると、そのティッシュをその場に捨てて会場に戻ったのでした。
しかし樫村はまだ息があります。
息も絶え絶えの状態で必死にキーボードを叩く樫村。
彼が力尽きるのと同時にパソコンが光りだしそして、我が名はノアズ・アーク、との声が響いたのでした。
絶命した彼を発見したのは、優作に頼まれて樫村を探しに来ていた従業員です。
驚き慌てふためく発見のその頃にはもう、シンドラーは何食わぬ顔で会場に戻っているのでした。
通報を受けた目暮たちと共に、毛利やコナンも駆けつけ現場検証が始まります。
そこでコナンは床に落ちたティッシュを見て推測を始めます。
被害者の血を拭ったティッシュ。
それを見て彼は、凶器はよほど大事なものか現場に残しておけない特徴的なものか・・・と考えたのでした。
ハードディスクのデータが全て壊されているのにキーボードにはJTRのところに血痕が・・・
JTRといえば、100年前のロンドンを震撼させたあのジャック・ザ・リッパーの事。
一体どうして樫村はそんな文字を打ち込んだのでしょうか―――?
その頃会場ではコクーンへの乗車が始まっています。
本来ゲームには興味のないコナンは事件への手掛かりがあるかもと乗車をはじめ、それを見ていた蘭には園子がバッチを譲ってくれたことで彼女も参加する事になりました。
本来乗車権のない元太たちもレアカードとの交換により、バッジを譲り受けウキウキと乗り込んでいきます。
さあ、いよいよゲームの始まりです。
JTRを見てゲームの世界へと向かったコナンの推理を、優作もまた感じ取っていました。
彼が向かったのはシンドラーのもとです。
ゲームの中止を訴えますが、シンドラーは聞く耳を持ちません。
その時、突然ゲームの制御が出来なくなってしまいます。
急な出来事にうろたえるスタッフから席を譲り受けた阿笠博士が操作すると、聞こえてきたのは「ノアズ・アーク」だと名乗る声。
ゲームを占拠したと言うノアズ・アークは、日本という国のリセットを目的にゲームを進め始めたのです。
そんな事とは知らないコナンたち。
50人のプレイヤーは仮想現実空間に集まり、五つから一つを選択してゲームが始まります。
コナンが選んだのは勿論1888年のロンドン。
ここでジャックを捉えることがクリアの条件です。
これから始まるゲームを楽しみにしている子供たちにノアズ・アークは話しかけ始めました。
全員がゲームオーバーになった場合、君たちは全員現実世界へは帰れない、と。
特殊な電波を流すことで脳を破壊するというのです。
ヒロキによって作られたノアズ・アークは、日本を良くするためにはあくどい親に育てられた子供があくどい大人になって権力を握る日本を壊さなくちゃね、と事も無げに言い放ったのです。
怯える子供達ですが、ゲームの中にいる以上ステージを選択して進むしか助かる道はありません。
各ステージにはお助けキャラがいるよ、というノアズ・アークの声を聞きながら、コナン達は100年前のロンドンへと向かったのでした。
名探偵コナン ベイカー街の亡霊ネタバレ
ノアズ・アークに支配されたゲーム空間には、優作たち制作に関わった者でも手が出せません。
人工知能の暴走・・・
それは日本という窮屈な国を憂いていたヒロキの考えそのものでした。
ずば抜けて高いIQを持つ彼にとって、個性を認めない日本は窮屈な国でしかなかったのです。
しかしそんな彼がどうして自殺なんかしてしまったのか?
その謎を解いて欲しい、と優作は樫村から頼まれていました。
樫村はヒロキの父親だったのです。
自殺という形で息子を失った樫村は、自分を責め続けていたのです。
ステージに脚を踏み入れたコナン達の目の前で、ジャックの被害者が出ます。
現実そのもののリアルさで進む物語。
この世界では阿笠博士の作ってくれた発明道具は一切使えません。
朝になるのを待ったコナンたち。
そこへ阿笠博士の声が聞こえてきました。
なんとか交信を繋いで、優作原作のクリア方法を知らせようとしたのです。
しかしこれをノアズ・アークが見逃すはずがありません。
イーストエンドのホワイトチャペルへ行け、その言葉を最後に交信は切られてしまいました。
この世界のお助けキャラはシャーロック・ホームズに違いないと確信しているコナン。
ここは往年の推理小説と史実が折り重なった世界だから・・・。
そこでコナンはまず、ホームズの住む家を訪ねる事にしました。
ベイカーストリートまで歩く彼らの前を、まるで浮浪者のような格好の男が歌いながら歩いています。
♫お前も血まみれに、というジャックを歌にした歌詞を、コナンはふと耳に止めるのでした。
この世界ではビッグ・ベンの針で残された子供の数を知る事が出来ます。
ゲームが始まってすぐだというのに、すでに何人もの脱落者が・・・。
実際の会場では、ゲームオーバーのコクーンは床下に収納されていきます。
それを見つめる親たちからは悲嘆の声が漏れるのでした。
しかしシンドラーだけが子供たち全員の脱落を願っています。
彼はジャックの正体に子供達が気付く事を恐れているのです。
しかし事件の事を調べているのは、ゲームの中のコナンだけではありません。
優作もまた動いているのです。
彼は会場内に設置された監視カメラに目を付け、犯行時刻の映像確認を始めたのでした。
ホームズの家に到着したコナン達ですが、そこに彼はいませんでした。
これは優作の書いたシナリオとは違い、ノアズ・アークが先を読んでホームズを留守にさせたようなのです。
先ほどの浮浪者も優作の書いたものではなく・・・
ゲームを支配しているのは間違いなくノアズ・アークでした。
プレイヤーはホームズと協力してジャックの正体に気付く、という結末は反故にされ、もっと面白いエンディングにしてあげるよ、とノアズ・アークは笑います。
しかしハドソン婦人によりホームズの自宅に入ることができたコナンは、彼の部屋でジャックの捜査資料を探し始めました。
共にこのステージを選択していた秀樹は、本棚から落ちてきた古いサッカーボールを、汚いと言い捨て進也に投げます。
それを受け取った進也は、100年前のサッカーボールだと興奮しますが、その様子にコナンは違和感を覚えたのでした。
その時蘭がジャックに関する資料を見つけます。
二人目の犠牲者ハニーについて書かれている資料。
遺体の発見現場はホワイトチャペル地区のセント・マリー協会です。
遺留品として見つかったのはサイズの違う二本の指輪。
ホームズはこの資料に、ジャックは悪の総本山モリアーティー教授に繋がると考えているようです。
そこでコナンは、なかなか姿を現さないモリアーティにつながる人物・セバスチャン大佐を探す事にしたのでした。
ホームズのメモによると、大佐はトランプクラブにいる様子。
遅くならないうちに、とホームズ宅をあとにしたコナンですが、彼の目を盗んで秀樹は、ホームズの銃を持ち出してしまいます。
時計塔が示す子供の数は残り30人・・・
秀樹は自分の身は自分で守らないとな、と悪びれもせず部屋を後にしたのでした。
しかしトランプクラブで全員を危険な目に合わせたのが、秀樹の持ち出したこの銃。
彼が銃を出したことでクラブにいた客たちもまた銃を抜き、乱闘となってしまったからです。
警察に捕まったり怪我をしたら脱落のこのゲーム・・・
秀樹についてきた菊川や光彦・歩美もまたゲームオーバーとなって姿を消してしまいます。
そればかりか元太まで・・・。
名探偵コナン ベイカー街の亡霊トリック
彼らに庇われたことで脱落を逃れたコナンは、その頭脳をフル回転して現状打破に努めます。
そうして導き出した答えが、テーブルの上座に据えられたグラスとワインでした。
特別な椅子を構えて据えられたその席をかばう男たちを見て閃いたのです。
僕を撃つとワインが割れるよ!とその席に立ったコナン。
これがキーでした。
その時、クラブのドアが開いたのです。
そこに立っていたのは御者。
モリアーティー様が待っている、そう言って誘われたコナンですが、彼は馬車の人物に向かい、芝居はもういい、と明るく言い放ちます。
本物のモリアーティー教授はこの御者だと。
彼は、御者が現れた時の大佐の態度や、教授の好むコロンの香りから彼の芝居を見抜いたのです。
コナンの洞察力に感心した教授は、彼の質問に答えてくれました。
浮浪児だったジャックを犯罪者として育てたのは私だ、と。
そして一連の事件はジャックの暴走だと話す教授は、想像を超える殺人鬼となってしまった彼を退治しようと、とコナン達に協力を申し出ます。
翌日の新聞に広告を載せることでジャックに殺しの指示を出すから、コナン立ちは曽於に先回りして待ち構えていればいいというのです。
翌日コナンは新聞を手に入れる前に、ハニー殺害現場を訪れていました。
ここにある教会には親子バザーの知らせが貼られており、10月も第二土曜日に開催するようです。
第二土曜日といえば、ハニーが殺害されたのも第二土曜日・・・。
ジャックにつながるヒントを手に、コナンは待たせていた蘭達に合流しました。
購入した新聞には確かに教授からの指示が広告欄に載っています。
「今宵オペラ劇場の掃除をされたし」この文章でオペラのプリマドンナ、アイリーンの殺害が指示されている事に気づいたコナン。
彼女はホームズが愛した唯一の女性です。
掛け値なしの悪党である教授は、対立するホームズの弱点を突いてきたのでした。
やがて夜を迎えます。
時計塔に示されたプレイヤーの数は残り六人。
コナン達に50人の命がかかっているのです。
彼は早速アイリーンに会いに楽屋へと向かいます。
そこにいたのは新一の母そっくりな女性。
この世界ではホームズが優作に似せた面影のため、アイリーンの姿を見てもさして驚かないコナン。
公演の中止を要請しても、彼女は明るくそれを拒否し舞台に立ちます。
高らかに歌い上げる美しい歌声・・・
しかしそれは突然の爆発により遮られてしまいました。
爆発からアイリーンを庇って負傷した江守と滝沢がゲームオーバー、
そればかりか崩落する柱からコナンを庇った灰原までも脱落してしまいます。
コナン達は次々と爆発が起こる劇場からアイリーンを連れて逃げ出しますが、その後を執拗に追うジャック。
そこでコナンはアイリーンを警察に託すと、今度は反対にジャックを追い始めたのでした。
そうして到着したのはチャリング・クロス駅。
ジャックを追ってコナン達も列車に乗り込みます。
車掌に頼んで乗客を一つの車両に集めてもらったコナン。
彼はそこでこの事件の謎について推理を展開し始めました。
まず、二人目の被害者であるハニーの説明から・・・
10年前に子供を捨ててロンドンに出てきた彼女の遺体側には、サイズの違う二つの指輪があったこと
―――ひとつは彼女のもの、もう一つは彼女がおいていく息子の指に残した指輪です。
彼女が殺された第二土曜日は親子バザーの日。
ジャックはここに親子で来たかった、との意味でこの指輪を置いていったんじゃないか、というのがコナンの考えでした。
殺人の動機は自分を捨てて出て行った母親への恨み・・・
その復讐を果たすため、警察の目をそらそうと母親と似た年頃の女性を襲ったのではないか―――
そんな悲しい過去を持つジャックは、母親の残した指輪を子供の頃から肌身離さず持っていたはず。
つまり、大人となった今でも異常に細い指を持つ者、それこそがジャック・ザ・リッパーその人だ!!
乗客の中に紛れ込んでいたジャックですが、コナンに見抜かれると不敵な笑みを浮かべ、煙幕を張って姿を消してしまいます。
窓を開けて煙を追い出した時、車両にはジャックはおろかほかの乗客の姿も消えており、残されていたのはコナンと秀樹の二人だけとなっていたのでした。
「名探偵コナン ベイカー街の亡霊」の真相
その頃、現実世界では優作が樫村殺害の犯人を暴く推理を始めます。
彼は、犯人が凶器を持ち込めた謎に注目し監視カメラをチェックする事で、疑念を確信へと変えていたのです。
凶器は、最初から会場に設置されていたあのブロンズ像の持つ大振りな短剣でした。
実際、短剣からはルミノール反応が出ています。
残されていた指紋はシンドラーのもの・・・
しかしその事をシンドラーは当然の事として狼狽えることなく受け入れました。
当たり前だ、あの象は私のものなのだから、と。
そこで持ち出されたのがあの監視カメラ映像でした。
そこには弾き飛ばしてしまった探検を戻す秀樹の姿が!
つまり、この探検が本物なら秀樹の指紋も検出されなくてはなりません。
しかしそれがなかった―――
秀樹とシンドラーの指紋、両方が残る偽物の短剣は、地下に捨てられていたのです。
ブロンズ像はシンドラー家に伝わる由緒正しいもの。
そんな短剣をなぜ凶器として使用しなくてはいけなかったのか・・・
いえ、むしろ凶器はあの短剣でなければならなかったのです。
これが樫村殺害の動機でした。
シンドラーはあの悪名高きジャック・ザ・リッパーの子孫である事を隠すために樫村を殺害したのです。
彼がひた隠しにするこの事実に、唯一気づいたのがヒロキでした。
開発したDNA探査プログラムでヒロキにバレたと知ったシンドラーは、IT業界の帝王としての保身の為にヒロキを自殺に追い込み、それを知らされていた樫村をも殺したのです。
そして彼が凶器に選んだあの短剣こそ、殺人鬼・ジャックの得物でした。
短剣に残っていたハニーのDNAがシンドラーのそれと合致した事でヒロキは彼の秘密を知ってしまったのです。
自分の中に流れる殺人鬼の血が怖かったと崩れ落ちるシンドラーに、優作は戦うべきだったと強い言葉を投げるのでした。
「名探偵コナン ベイカー街の亡霊」シャーロックホームズ
現実世界で事件が解決していたその時、コナンと秀樹はジャックを追って車両の屋根にいました。
そこにはロープでジャックと繋がれた蘭の姿が・・・!
その状態で短剣を手にコナンに襲い掛かるジャック。
ジャックが落ちれば蘭も、という状況に下手に手が出せないコナンは防戦一方です。
しかしこの列車は運転手も消えてしまい、このままでは残り十分ほどで終着駅についてしまいます。
暴走列車が突っ込む駅の惨状は想像に難くありません。
追い詰められたコナンを見て蘭が突然立ち上がりました。
コナンを助ける為に自分の身を投げる覚悟を決めたのです。
それはホームズオタクだった新一お気に入りのセリフから着想を得たものでした。
蘭が列車から身を投げた事で、ジャックもまた引きずり落とされ彼女のゲームオーバーと引き換えにゲームの終着を見ます。
しかし暴走を続ける列車を停めない事には結局コナンも秀樹もゲームオーバーとなってしまうのです。
生き残るために知恵を絞る二人の前に現れたのはあの浮浪者でした。
人生という無色の糸の束に混じっている真っ赤な殺人の赤、それを解きほぐすことが我々の仕事だ、と話す浮浪者の姿は言葉が進むにつれホームズの姿に・・・。
お助けキャラのホームズの言葉で閃いたコナンは車内に戻ると、秀樹と一緒に赤ワインの樽を割り始めます。
そして車内いっぱいに溢れそうなワインの中に潜ることで、コナンと秀樹は衝突の衝撃を回避したのでした。
浮浪者が歌っていた「血まみれ」というワード。
それは赤ワインでショックをやわらげろという意味だった・・・
「名探偵コナン ベイカー街の亡霊」ラスト最後結末
生還したコナンはステージを選ぶ前の最初の場所に戻っています。
そこで彼は、共に生き残った秀樹に声をかけたのです。
ヒロキ君って呼んだほうがいいかい?と―――。
ヒロキは秀樹のデータを借りる事で、コナンと一緒にゲームの世界にいたのでした。
コナンはビッグベンで、最初に秀樹が針の意味に気付いた時から違和感を感じていたというのです。
その後も、パーティー会場に持ち込むくらいサッカーが好きなのにアンティークボールには興味を示さない秀樹を見てヒロキの参加を確信したコナン。
ヒロキはコナン達を追い詰めながらも、彼らが一致団結して危機を乗り越える力を信じていたんじゃないか、と感じていたようです。
その証拠に最後にちゃんとお助けキャラを登場させてくれた、そう言って笑うコナンにヒロキは涙を浮かべます。
一度くらい友達と遊びたかったんだ、そう呟いたヒロキは父親の事件をコナンの父が解決してくれたと感謝の言葉を残して別れを告げたのでした。
生還したコナン。
それを機に、脱落していたコクーン全てが床下から戻ってきます。
歓喜にわく会場。
コナンはやっと父親との対面を果たします。
言葉はなくても通じ合っている二人・・・
ノアズ・アークはこの瞬間を最後に姿を消しました。
それはヒロキの永眠でもあるのでした。
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お試し期間内での解約ならお金は一切かかりません。