名探偵コナン「大学教授殺人事件」は、黒の組織のシェリーこと灰原哀から衝撃な告白をされた回です。
灰原哀の過去が明らかになる回です!
この「大学教授殺人事件」ネタバレ、犯人、トリック、ラスト最後の結末を紹介します。
この話はコミック18-19巻、アニメ129話で見る事が出来ます。
「大学教授殺人事件」ネタバレ 偽りの少女
この前の話はこちらです。
灰原によると新一は薬を飲んだ人間の中で唯一死亡が確認されていなかったため、2回ほど工藤邸に組織の調査員が派遣されていたそうです。
薬の考案者として同伴した灰原は2度目に訪れた時に1度目にはあった新一の幼いころの服が無くなっていたことに気が付きます。
動物実験の際に1匹だけ幼児化したマウスがいたことから灰原は工藤新一が幼児化したという仮説を立てました。
「じゃあ組織のやつらは俺が小さくなったことを・・・」とコナンは尋ねますが、灰原が新一のデータを死亡に書き換えたというのです。
しかし、灰原はデータの書き換えをしたのが組織を裏切った自分では再び疑われるかもしれないと言いました。
組織が試作段階の薬を勝手に人間に投与したことで嫌気がさした灰原。
さらに姉を殺され、その理由を聞けるまで薬の研究を中断してことで組織に拘束されてしまいました。
死を覚悟した灰原が隠し持っていた薬を飲んだところ、体が幼稚化し小さな体のおかげで脱出することができたのです。
「どこにも行くあてがなかった私の・・・唯一の頼りは工藤新一・・・あなただけ・・・私と同じ状況に陥ったあなたなら、きっと私のことを理解してくれると思ったから・・・」と言う灰原にコナンは「人間を殺す毒を作った奴を、どう理解しろってんだ!?」と怒鳴りつけます。
「仕方ないじゃない・・・毒なんて・・・作ってるつもり・・・なかったもの・・・」
「まぁまぁ、彼女は組織から抜け出したんだし・・・薬の考案者がいれば、解毒剤なんてすぐに・・・」ととりなす博士。
灰原はデータは研究所でその内容は覚えていない、そしてその会社は燃えてなくなったと言います。
灰原から情報が漏れることを恐れた組織が関係する施設をつぶしにかかっているようです。
今のところ灰原が幼児化したことを組織は知らないようですが、このまま薬を使い続ければ幼児化する人間が出てきて幼児期の灰原を知る人間に見つかってしまうのは必須。
「どうする?厄介者の私をここから追い出す?」と聞かれてコナンは「お前のことがばれたれたらオレの事がばれるのも時間の問題・・・博士には悪いが、いやでもこのままここで小学生しててもらうぜ・・・」と答えました。
博士は灰原の両親の安全を心配しますが、親は組織の一員で灰原が生まれてすぐに亡くなったと言います。
灰原にとって家族は亡くなった姉だけで、監視がついているものの普通の生活を送っていたそうです。
しかし、灰原を組織から抜け出させるために組織の仕事に手を染めたのでした。
そして灰原はふと、姉が旅行の写真をフロッピーにいれて灰原に送ってきたこと、そのフロッピーを返した後に薬に関するデータの入ったフロッピーが無くなったことを思い出しました。
もしかしたら灰原の姉のところに薬のデータがあるかもしれない、と博士とコナンは希望を持ちますが住んでいたマンションはすでに黒の組織によって引き払われたそうです。
しかし、もしかしたら旅行に一緒に行った大学教授のところにフロッピーがあるかもしれないと灰原は言います。
「その先生って誰だか知らねーのか?」とコナンが尋ねると「南洋大学教授広田正巳・・・」と灰原が答えました。
「え?ヒロタマサミ・・・?」と名前が気になるコナンをよそに博士はさっそく電話を入れます。
電話をした博士は誰か聞かれて灰原の姉、宮野明美の知り合いと答えました。
明美の知り合いと聞いて納得した広田教授は明美からフロッピーを返してもらったが妙なフロッピーも混ざっていたと言います。
「それだ!!」と確信したコナン。
博士がこれから取りに行きたいというと、これから数人客が来るというので3時間後に会う事になりました。
「静岡まで150キロか・・・3時間でつくかのー」と心配する博士。
そんな博士にコナンは本名も年齢も組織の目的も何も教えない灰原に気を許すなと言います。
「それに気になるのは広田正巳・・・この名前どっかで・・・」
コナンたちが広田家に着くと広田の妻、登志子が迎えてくれました。
教え子数人が入れ違いに来てもう帰ったと言います。
さっそく広田の書斎に案内してくれましたが、鍵がかかっていて返事がありません。
コナンがドアの上についた窓から中を覗くと、血を流した広田が本棚の下敷きとなって倒れていました。
合い鍵はないと聞いたコナンは博士と共に、そのドアをぶち破りました。
「大学教授殺人事件」ネタバレ チェックメイト
やってきた横溝警部達によると現場の状況から恐らく、本棚の上の方に乗っていた物を取ろうとして棚に足をかけたところでバランスを崩して棚ごと転倒し置物に頭を強打して死亡したといいます。
ドアとドアの上の窓にも鍵がかかっていたこと、たったひとつしかない部屋のかぎが床に落ちたノートの下にあったことから鍵をかけた後の事故死だというのです。
しかしそこで「誰かに殺されたかもしれないよ・・・」と言うコナン。
電話が落ちたのに受話器が外れていないのが不自然だというのです。
「そうだとするとこれは・・・密室殺人と言うことになりますよ!!」と言う横溝警部。
殺人と言う言葉を聞いて慌てた登志子は、横溝警部に聞かれて客が数名来ていたことを伝えます。
フロッピーを返してもらいに来ただけという博士に灰原はフロッピーが無くなっていること、コンピューター内のデータも消されているらしいことを伝えます。
「まさか奴らがフロッピーを・・・」と心配するコナン。
データ回収に訪れた組織が広田教授に見つかって撲殺したかもしれないという灰原にコナンはまず今夜ここに来た人の話を聞こうと言います。
しかし登志子は8時から11時まで町内会の会合で出かけていたため、最初に訪れた教え子の細矢としか会っていませんでした。
2、3人教え子が来ると聞いていたものの名前もわからないといいます。
その時コナンは床に落ちた電話に留守電が入っていることに気が付きました。
「13件です・・・ピーもし・・・し白倉です・・・」と音声が流れる留守電。
最初の電話は白倉という男からでした。
「妙だなこのテープ・・・ところどころ音がとんでる・・・」とテープの音声が気になるコナン。
次のメッセージは盛岡と言う男でした。
このふたりの連絡先を横溝警部が登志子に尋ねていると「あのー白倉は僕ですけど・・・」とモデルをしている白倉がやってきました。
何かあったのかと尋ねる白倉に横溝警部は広田教授が殺されたことを説明しました。
その後留守電を全部聞いて白倉から10件、盛岡から2件の電話が来ていたことがわかりました。
そして最後に残されていたのは「黒・・・生命です・・・当社の新・・・い保険の説明にお伺いしたいん・・・」という保険会社のセールスらしい伝言。
「この口調・・・この声は・・・」「ウォッカ・・・」
ウォッカと聞いてやはり組織の仕業かと心配する博士にコナンは組織なら自分の声が残ったテープを残さないはずと言います。
広田教授が在宅していた場合に警戒を和らげるためのメッセージを入れていたことから「今頃、彼ら焦ってるでしょうね・・・回収できなくなったから・・・」と言う灰原。
コナンはもう組織の人間がそばに来ているかもしれないと言います。
その後、同じく広田教授に会いに来ていた会社員の細矢、獣医の盛岡がやってきました。
細矢は南洋大学を受ける娘の推薦状をもらいに来たものの広田教授が大分酔っていたために帰ったと言います。
そして盛岡は広田教授からの誘いでチェスをしに来たのでした。
時間を決めていなかったため電話をしたものの留守番電話になったため9時半ごろに来たという盛岡。
玄関は開いていたものの誰に出てこないので中に入り、部屋の前まで来てノックしたものの返事がないから帰ったと言います。
そしてそれから1時間半後に博士達が来て死体を発見したのでした。
一方、白倉は雑誌の企画に使うために大学祭で女装して広田教授と撮った写真が入ったフロッピーを借りに来たそうです。
登志子の話によると広田教授は写真や仕事関係のデータ、盛岡とのチェスの勝敗までパソコンに保存していたそうです。
「そのフロッピーを犯人が広田教授殺害後にごっそり持ち去ったという事か・・・」という横溝警部に細矢達は広田教授が自分で大学に持って行ったのではと言います。
「この部屋の侵入口は全て閉ざされていて・・・スキがあるとしたら、入口のドアの下の鍵がやっと通るぐらいのスキ間のみ・・・輪ゴムかテグスを使えば・・・広田教授を殺害した後鍵を奪い、部屋の外で鍵を掛けドアの下のスキ間から鍵を部屋の中央に運ぶ事はできるかもしれねーが・・・都合よくノートの下に滑り込ませることは・・・まず不可能だ・・・
気になるには部屋中に散乱しているのに・・・なぜかドアから電話までの一直線上には問題のノートしか落ちてなかった事と・・・少々ワカメになってる留守番電話のカセットテープ・・・」
考え込むコナンを見ながら灰原はじっと見つめています。
以前コナンと出会ったことがある灰原の姉、宮野明美。
コナンのことを子供のくせに落ち着いて大人っぽく変わっていると灰原に話していたのです。
電話を眺めるコナンに灰原は
「無理よ・・・部屋の中央のしかもノートの下に鍵を運ぶなんて物理的に不可能よ・・・たとえその留守番電話のテープを使ったとしてもね・・・
この事件はもう・・・チェックメイトよ・・・」
と言ってチェスの駒を置きました。
その駒を見てはっと気づいたコナン。
「事故じゃねー、殺人だ・・・
広田教授を殺した後、トリックを使ってこの部屋を密室にし、事故死に見せかけたんだ・・・」
「大学教授殺人事件」トリックと犯人
変声機を使って博士の声を出したコナンは、横溝警部達に推理を披露します。
「留守番電話のカセットテープとチェスの駒を使えば・・・ものの見事に密室を完成させることができるのじゃ!!!」と言う博士(コナン)に灰原は実際にやって見せるよう言いました。
コナンは周囲の警官に準備を手伝ってもらい、さっそく実験を行います。
コナンは警官が買ってきてくれた新しいカセットテープを適当な長さ外に取り出して電話にセットしました。
それからテープを持ったまま部屋から出て鍵のリングをテープに通し、カギを床に置くと残ったテープを持って部屋のノートが落ちていたところに戻りました。
そしてボーンの駒3つを三角形に置いて余ったテープの先端を電話に一番近い駒に乗せてその上にノートを置きます。
駒の台座はしっかりとしているからそのままノートの外に出てしまうと鼻で笑う灰原にコナンは駒を逆さにするんだ!!と言います。
そしてコナンは部屋から出ると鍵を掛けて床に置き、手に持った携帯から電話を掛けました。
すると留守番電話が作動し、テープが巻きとられました。
その力で鍵は部屋の中に入り、駒にぶつかってノートの下に入りました。
そのまま留守番電話が録音され続ければテープが巻きこまれて証拠が無くなるのです。
「・・・となるとこのトリックが使えたのは・・・10件も留守番電話に伝言を入れている・・・白倉陽さん!!あなたという事になりますね!!!
テープが所々ねじれていたのはトリックを使った証拠・・・間違いありませんね?」
という横溝警部に白倉は留守番電話が多いだけでは証拠にならず、犯人なら現場に戻ったりしないと言います。
「戻ってきたのはある物を回収するためじゃろ?
そう・・・あなたの指紋がベタベタついた・・・留守番電話のテープをな!!
さっきテープを見させてもらったとき、一目でわかったよ・・・誰かの指紋が多数付着しているのは・・・」
白倉は口論となった広田教授を思わず撲殺してしまい、とっさに思い付いたトリックで密室にしました。
しかし手袋がなく指紋が残ってしまったので第一発見者となってスキを見てテープをすり替えようとしました。
ところがその前にコナンたちが来たので仕方なく留守番電話に残した伝言通りに訪ねてきたのです。
無言電話を入れると指紋が付いたテープに注目されてしまうため、名前の入った伝言を残すことでテープが回収できなくてもトリックがばれないようにしました。
そして白倉の周辺にフロッピーがあるはずと博士が言うと観念した白倉は家の前に止めた車のダッシュボードにフロッピーがあると白状しました。
「あの写真が入ったフロッピーもな・・・」
白倉は女装の写真を送ってほしいと広田教授の頼んでいましたが、届いたのは「君の素顔はこれに勝るものなし」というメッセージと、昔の会写真でした。
白倉はモデルになった時に顔と名前を変えていたのです。
素顔の写真を編集部に見せられないと何とか女装写真を借りたいと広田教授に会いに来たのですが、女装の写真はどのフロッピーか忘れたが送った写真ならすぐに出てくるから編集部に送ってやろうかといわれて思わず殴り殺してしまったのでした。
「きっと広田教授は『自分を偽らずにもっと自分に自信を持て』と・・・そう伝えたくて昔の写真を送ったんじゃと思いますよ・・・」と言う博士の言葉に白倉は「その言葉・・・広田先生から直接聞きたかった・・」と答えました。
見事な推理と博士に感謝する横溝警部。
博士はフロッピーを返してほしいと頼みますが署で調べてからと断られます。
とりあえず帰ろうとコナンが声をかけると灰原は「どうして・・・どうしてお姉ちゃんを助けてくれなかったの?」と涙を流していました。
「お、お姉ちゃん・・・?」と言うコナンに「まだわからないの?ヒロタマサミは広田教授から取ったお姉ちゃんの偽名よ!!」
「ま、まさか・・・あの10億円強奪犯の広田雅美って・・・」
「あなたほどの推理力があれば・・・お姉ちゃんのことぐらい簡単に見抜けたはずじゃない!!なのに・・・なのに・・・どーしてよー!!!」
泣きじゃくるその顔はコナンが初めて見る灰原の素顔でした。
「大学教授殺人事件」ラスト最後の結末
1週間後、警察からフロッピーが届きました。
薬のデータに加え出資者などの名前も入っていると言います。
組織に近づけると期待するコナン。
その頃車に乗ったジンとウォッカが広田教授の話をしていました。
灰原を探しているふたり。
警察に薬のフロッピーが押収されたことを心配するウォッカにジンはフロッピーに仕掛けがあることを言いました。
フロッピーに保存されたデータを開いた灰原達。
しかし画面は血が飛び散ったかのような映像になりました。
「コンピューターウィルス・・・ナイトバロン」
そのフロッピーは組織以外のコンピューターで見えないようウィルスが施されていたのです。
「じゃあデータは・・・全部・・・」
「ええ・・・何もかも全て消失したわ・・・あなたとは長い付き合いになりそーね…江戸川君・・・」
ヒロタマサミ・・・以前コナンに黒ずくめの組織のことを話して亡くなった女性の名前です。
彼女が命をかけて組織から抜けださせようとした灰原。
コナンでも特に人気の彼女ですが、その初登場はせつない物語だったんですね。