名探偵コナンの人気キャラ京極真が登場する回です。
世良真純と兄とのやり取り、そして推理が聞ける話でもあります。
この「容疑者か京極真」のネタバレ、犯人、トリック、ラスト最後の結末を紹介します。
この話はコミック81巻、アニメ744-745話で見る事が出来ます。
「容疑者か京極真」ネタバレ 拳道VS.空手
とあるボウリング場。
蘭のストライクに盛り上がるコナン、園子、世良。
雨でテニスの予定がボウリングになってしまい、テニスギャルを拝めなくなった小五郎はやけ酒を飲んでいます。
席で園子と世良が仲良く話していると突然ガッと世良の肩が掴まれました。
見ると恐ろしい表情で世良をにらむ男。
「ボクとやろう・・・てのか!?」と技を繰り出す世良。
しかし次々とかわされてしまいます。
「ぶちのめしてやる!!」と張り切る世良を「違うの世良さん!!その人よ!園子が世良さんに会わせたかった人って!!」と止める蘭。
世良と京極を互いに紹介する園子。
「じょ、女性でしたか・・・てっきり園子さんにからんでる不埒な男かと・・・」
またも男に間違われた世良。
「截拳道、誰に教わったんですか?」と尋ねる京極に世良は兄から習ったと言います。
兄の話になった世良は截拳道を教えてくれた死んだ兄の他に頭の切れる真ん中の兄がいること、その真ん中の兄にたまに電話やメールで推理の相談をしていることを説明しました。
「この前の事件(蘭も倒れたバスルーム)もその兄に僕の推理は危ういって言われたんだけど・・・君もいるから間違ってたら修正してくれるかなって・・・」
「あ、僕じゃなくて新一兄ちゃんがね!」
一方、京極は園子の服装に小言を言っています。
「その服は洗濯に失敗したんですか?襟元が伸びきって下着が見えてしまってますよ?」
「これはオフショルダーと言ってわざと見せてるのよ!見せブラだし!」
その様子を見ていた蘭は、京極の手の甲から血が出ているのに気が付きました。
世良とやり合ったせいかと尋ねていると、「さっきはすみませんでした!!」と中学校の数学教師、門奈道子が声をかけてきました。
来る途中に雨に濡れて着替えの服を買いに京極が出た時、門奈の連れで体育教師の丹波に絡まれたのです。
酔っぱらった丹波にかすり傷を負わされた京極はみぞおちに一発食らわせたのでした。
そこにやってきた同僚で理科教師の正木すなみです。
正木は丹波は車で寝ていて、寝言でぶっ殺してやるとつぶやいていたと言って京極に苦笑されます。
その後、蘭たちと一緒にプレイすることとなった門奈と正木。
園子に応援されて舞い上がった京極はボールをピンの上の壁にめり込ませて周りの注目を集めます。
「やはり自分にはこういう小洒落た協議は向かないようで・・・
今日、帰国したばかりで少々時差ボケも・・・」と言う京極。
そこで蘭はレンタカーで寝ていたらどうかと提案し、京極は車でしばらく休むことになりました。
同じタイミングで門奈も丹波の様子を見に向かいました。
しかし、丹波が車にいないと言います。
騒ぎ出した門奈と正木に人探しならお任せと小五郎が声をかけました。
駐車場中探しますが丹波の姿が見えません。
蘭達も門奈から写真を借りて近所の店で聞き込みを行います。
しかし丹波は見つからず、駐車場に再び皆が集まったところでコナンはゴボゴボという不審な音に気が付きました。
その後さらに探し続け、駐車場脇の簡易トイレを見た正木は、びしょぬれの丹波を発見しました。
コナンと世良が近寄りますが、その様子から丹波はすでに亡くなっており、死因が溺死であることに気が付きました。
丹波は全身濡れていますが、手足に拘束された跡はありません。
世良による見立てでは死後1時間くらい。
蘭や世良達が丹波を探して店を回っている間に溺死させられこのトイレに入れられたと言います。
「この先生・・・結構体格がいいから複数犯か・・・もしくはかなり腕っ節のいい奴の犯行・・・」と言う世良たちの前に
「あのー・・・何があったんですか?」
と京極が現れました。
「容疑者か京極真」ネタバレ 灯油の臭い
「えー・・・殺害されたのは・・・中学校で体育教師をやっていた・・・丹波聖泰さん32歳・・・」
捜査にやってきた山村警部が現場を仕切ります。
正木は門奈と丹波でボウリングに来たものの丹波が車でビールを飲んで泥酔して街中で迷惑をかけてしまったため車で休ませていたこと、その間に1時間ほどふたりでボウリングした後に様子を見にきたらいなかったためたまたま知り合った小五郎達に協力してもらって探していた事を説明しました。
検視によると死亡推定時間は夕方の5時前後、ちょうど蘭達が駐車場を離れて近所の居酒屋などを探していた頃でした。
何でその時にトイレを見なかったのかと山村が尋ねると、正木達はその時は故障中の張り紙と南京錠がされていたと言います。
戻ってきたら南京錠が無かったからと中を見た正木が丹波の遺体を発見したのです。
この事から被害者は正木に車に連れてこられてから門奈が様子を見に行くまでの間に連れ去られ、居酒屋を回っている間に溺死させられ犯人によってトイレに遺体が入れたというのです。
その時、丹波の腹部に打撲痕が見つかりました。
「あ、それ多分自分です・・・酔った彼が因縁をつけて殴りかかって来たんで思わずみぞおちに・・・」と言う京極。
さらに京極が同じ駐車場に止められた小五郎のレンタカーで寝ていたと聞いて山村警部は京極に手錠をかけました。
「あなたを殺人犯として緊急逮捕します!」
因縁つけられたくらいで殺すかと小五郎が取りなしますが、山村は自分の巧みな話術で京極には動機があってアリバイが無い事を自白させたと主張し、コナンにあきれられてしまいます。
「何いってるの!?真さんが犯人なわけないじゃない!!」と京極の前に立ちふさがる園子。
無実を証明できるのかと聞かれた園子は
「だって真さんは・・・真さんは・・・とっても素敵で優しくて・・・いい人なんだから!!」
真っ赤な顔で絶叫する園子ですが、「証明になってねぇ―・・・」とコナンに心の中で突っ込まれてしまいました。
さらに遺体の左肩からスタンガンで気絶させられた時に着いたと思われる火傷跡が見つかりました。
パンチで気絶させる事ができる京極がスタンガンを持ってるように見えないと言う世良。
蘭と園子も京極の空手大会での活躍ぶりを説明し、「それならそうと早く言ってくださいよ・・・」と渋々山村は手錠を外しました。
「赤いハンカチ事件で会ってるんだけどな・・・」と呟くコナン。
余談ですが、山村が京極に会っていた事を忘れていた事から実はこの山村警部は誰かの変装で赤井ハンカチ事件からこの事件までの間に入れ変わったのでは?という都市伝説があります。
山村警部がぼけているだけな気もしますが・・・
ずっと駐車場にいたなら不審人物を見ていないのかと山村警部は京極に尋ねます。
しかし熟睡していたと言う京極。
その話の途中で山村警部は使っていた万年筆を落としてしまいました。
ころころと転がる万年筆。
この辺りは地盤沈下で少し傾いており、来月舗装工事が入るそうです。
その話を聞いたコナンはトイレ横の排水溝、そして周囲を囲む塀に付着した泥に目をやりました。
とそこでまた雨が降ってきました。
とりあえずボウリング場に入ろうとなったとき、コナンはトイレの通風口の周りだけ濡れていない事に気が付きました。
世良が触るとべとべとして何か貼ってあったようです。
ドアの回るも何か貼ってあったようで、ドアの通風口のみなにも残っていません。
さらにコナンと世良は最初にトイレに入ったときに灯油の臭いがした事を確認し合いました。
結局、丹波の死因は溺死でした。
あんなに体格のいい男を縛りもせずに溺死させたなら数人がかりでは?という小五郎に山村は空手の達人ならひとりで十分とまたも京極に疑いの目を向けます。
また、遺体の下腹部にひも状の圧迫痕があり腰の方には付いていないことからベルトを掴んで遺体が運ばれた様だと検視官は言います。
さらにその後の話で丹波は門奈の妹と結婚しようとしていたものの親に決められた婚約者がいたために結婚を親から反対されていた事、ふたりは駆け落ちしようとしたものの結局門奈の妹がひとりで海に飛び込んで死んでしまったことが明らかとなりました。
姉である門奈と同級生で親友であった正木には「これからふたりで旅立ちます」とメールが来ていたそうです。
そしてそれから丹波は酒びたりの生活を送るようになったのでした。
門奈の妹がボウリング好きで、ここにも来たことがあり前に来た時も雨ふりだったと言います。
そこにトイレの横のごみ箱から濡れたタオルと口の部分が焦げた4つの空き缶を持った捜査員がやってきました。
その缶からは灯油の臭いがします。
それを聞いたコナンは慌てて雨の中に飛び出し、捜査員にトイレの上の棚を確認するよう言いました。
捜査員が渋々そこを見ると棚の真上の天井にまっ黒な焦げ跡がある事に気が付きました。
この焦げ跡とトイレの壁の下の方が濡れていた事からコナンは犯人が誰か確信しました。
その様子を見ていた世良。
世良は誰かにメールを送っています。
「どうやら彼も真相に辿り着いた様だけど・・・ボクの推理と同じかどうか最近少々自信喪失気味」
そのメールに早速「彼とは誰だ?」返事が来ました。
世良がコナンの写真を送り返すと「彼なら問題はない」とまたもすぐに返事がきました。
「容疑者か京極真」ネタバレ まるで魔法のように
どっかの店で飲み直した丹波がけんかになって殺されたと小五郎は主張します。
山村警部はなぜ犯人はスタンガンを持っていたのか、どうやって溺死させて遺体をトイレに入れたのかといろいろ聞きますが知るか!!と言う小五郎。
小五郎によれば正木に車に連れて行かれた丹波は1時間後に門奈が様子を見に行くまでの間に抜け出し、皆が捜し回っている間にもめて溺死させられトイレに入れられたと言います。
そのとき「山村警部!実験の準備ができたそうです!」と刑事が駆けこんできました。
不思議がる山村警部に小五郎に頼まれて山村警部が許可したと鑑識から聞いていると言う刑事。
その少年が鑑識に言ったという刑事の言葉に慌ててとにかく実験しようと話をそらすコナン。
世良はその様子を見ながら「彼なら問題はない?何で知ってんだよ?兄貴がこのこの事を・・・」と呟きます。
駐車場に行くとトイレのあたりは水浸しになっていました。
小五郎の指示と聞いた鑑識が排水溝にタオルを詰めて雨水が流れないようにしていたのです。
地盤沈下で排水溝の方に傾いていたため、トイレの周辺まで水が溜まっています。
その様子を見たところでコナンは小五郎に麻酔銃を撃ち、推理ショーを始めました。
「容疑者か京極真」トリック
「この溜めた雨水で溺死?」と驚く山村警部。
こんなに雨水をためるのには時間がかかるし、気絶していたとはいえ手足を縛らずに溺死させるのにはかなりの腕力の持ち主となるとまたも京極に疑いの目を向けます。
そこで急に走り出した京極。
「逃げた!!」と山村は言いますが、小五郎は関係ないから放っておくように言います。
なぜならこの事件に腕力は関係なく、被害者に触れることなく溺死させたからです。
そして山村警部を被害者役に再現実験を行う事になりました。
酸素ボンベを持たされトイレに入る山村警部。
そして世良がトリックの用意をすることになりました。
トイレの通風口をガムテープでふさぎ、灯油を入れて口に紙を刺した缶を4つ用意して紙に火をつけてトイレの棚に並べるとドアの隙間を目張りしました。
トイレの中にいる山村警部は足首上くらいまで水があるもののこれくらいでは溺れ死ぬかと言いながら酸素ボンベを吸っていました。
密室でさすがに熱くなってきたなと山村警部が空き缶の方を見上げるとちょうど火が消えるとこでした。
急にトイレの中から大きい音がしてきました。
驚く蘭と園子。
世良が目張りを外してドアを開けると勢いよく水が出てきました。
びしょぬれで危うく溺れ死ぬところだったと怒る山村警部。
「容疑者か京極真」犯人
世良の説明によれば密閉されたトイレの棚の上で缶が燃やされ温められて中の空気が膨張していたところ、トイレの中の酸素濃度の減少によって火が消えてしまい、冷えて空気が縮んで内圧が下がってしまいドアの下の通気口から雨水がトイレの中に大量に吸い込まれてしまったのです。
「この説明で合ってるよね?理科の先生の・・・正木すなみさん?」
正木は適当な理由をつけて丹波をトイレに誘い、スタンガンで気絶させてベルトの後ろに通したひもを便器のふたのつなぎ目に結んで丹波が立てないようにしました。
それから棚に灯油を入れた4つの缶を置いてドアに南京錠をかけて故障中の紙を貼りました。
その後トイレの裏の通風口をガムテープでふさぎ、タオルを詰めて雨水がたまるようにしました。
ボウリング場に戻った正木は門奈には丹波が車で寝てしまったと言い、雨水がたまる時間を稼ぎました。
しばらくして様子を見に行った門奈は丹波がいない事に気が付き、駐車場を探すこととなった正木は棚に用意しておいた缶に火をつけて目張りしました。
そして門奈と丹波を探している間に缶の火が消えてトイレに雨水が吸い込まれ、丹波は溺死しました。
駐車場に戻ったところで排水溝のタオルを取って雨水が流れるようにし、トリックに使ったガムテープ、空き缶、ベルトの紐を処分し濡れたトイレットペーパーをつけかえました。
そして第一発見者として立ったいま遺体を見つけたかのように声をあげたのです。
雨水をためる時間を作れたのは正木だけであり、指紋の付いたガムテープがゴミ箱になかったことからトイレのタンクから見つけているはずと言う世良。
門奈は正木をかばいますが、親友を殺したからと正木は罪を認めました。
門奈の妹で正木の親友だった女性は丹波と心中するつもりでいました。
しかし死ぬのが急に怖くなって溺れた恋人を見捨てて逃げていた事を丹波は酔っぱらって正木に話したのです。
「だから連れてってあげたのよ・・・彼女の待つ水の中へね・・・」
「容疑者か京極真」ラスト最後の結末
事件が解決したところで戻ってきた京極。
そんなつわものなら見ればわかる、ついでに一戦交えたいと犯人を探していたのです。
事件解決で和やかムードになったところで世良の携帯に兄からメールが届きました。
メールを読んで「なーんだ・・・そういう事か・・・」と呟く世良。
そのメールには追伸で「魔法使いにはもう会えたのか?」と書かれていました。
犯人とトリックはもちろん、世良と兄のやり取りも気になるストーリーでしたね。
水たまりに誰も気付かなかったんでしょうか・・・