今回は10年前、本当に小学1年生だった頃の新一が蘭と謎ときの冒険をする「工藤新一少年の冒険」のご紹介です。
この「工藤新一少年の冒険」のネタバレ、暗号の意味やラスト最後の結末を紹介します。
若き日の阿笠博士や小五郎はもちろん、あの人気キャラクターの幼い頃の様子も描かれています。
コミック55巻、アニメ472~473話です。
「工藤新一少年の冒険」ネタバレ 月下
とある午後の昼下がり。
学級活動でコナン達は図書室で本を読んでいます。
図書室のミステリーは小学生の時に全部読んだと灰原に言うコナンの頭の中に「本当にそうかい?」というある男の声がよみがえりました。
いつ聞いた声か考えていると、高いところの本を取ろうとした元太が椅子から落ちてしまいました。
元太が落とした本を片付けようとした担任の小林先生は、本棚の奥に隠されていた牛革の財布を見つけました。
中に紙があるのを見つけた光彦。
光彦が紙を読む前にコナンが「ありがとう…1年A組毛利蘭・・・」とその内容を言い当てました。
驚く光彦達にコナンは蘭から聞いたと10年前の話を始めます。
暗い道を学校に向かう小学1年生の新一と蘭。
蘭が園子から聞いたという満月の夜に学校の図書室に現れる不気味な鳴き声で変な帽子をかぶったお化けの正体を突き止めに行くのです。
ふたりは新一が鍵を開けておいた窓から忍び込みました。
図書室に入ったふたり。
変な音がすると辺りを見回した蘭はおかしな陰に気が付き、「お化けが帽子被って窓から覗いてる~!!」と叫び声を上げました。
新一にしがみつく蘭。
しかし新一は、「バーロ!よく見てみろよ!」とその影がフックの外れたカーテンだと指摘します。
お化けの正体は月明かりが多い満月の夜にくっきりと見えるカーテンの影で、声の正体はまだの隙間から入り込む風の音だったのです。
「さ、帰ろうぜ!ここにはもう何も・・・」と言う新一。
そんな新一の耳に「本当にそうかい?」と言う声が聞こえてきました。
新一と蘭が振り返ると、男が本棚に腰掛けています。
「なんだお前⁉」と言う新一に男は「私は君の兄弟だよ・・・いや・・・君の弟というべきか・・・」と謎めいたことを言います。
蘭に警備員を呼ぶように言う新一。
しかし蘭が開けようとしても図書室の扉があきません。
扉に呪文をかけたと言う男。
そして、「君に挑戦しに来ただけだ・・・ここに入った宝を・・・」と牛革の財布を差し出しました。
この挑戦を受ければ家に帰れるが、受けなければ血も凍るこの暗く冷たい部屋で一生暮らす羽目になる、と言う男。
そして男は「私はとても血が好きでねぇ・・・赤い物に目がないんだよ・・・」とナイフを取り出しました。
挑戦を受けると言う新一。
「フ・・・それでこそ工藤新一・・・私の兄だ・・・」と言って男は手にした財布を投げ、ナイフを突き刺しました。
驚いて突き刺さったナイフと財布を見る新一と蘭。
男の方を振り返りますが、そこには誰もいません。
新一は財布を手に取りました。
その中には、1枚の紙が入っていたのです。
「工藤新一少年の冒険」ネタバレ 黎明
「オレは知りたいんだ・・・アイツの正体を・・・」と言う新一。
蘭は男に魔法をかけられたらと心配しています。
しかし新一は、扉があかなかったのは引き戸の扉にフックと釣り糸を使ってモップをつっかえさせただけ、とトリックを説明します。
感心した蘭は新一に紙に書かれた暗号について尋ねます。
「意味はまだ分かんないけど・・・読み方は・・・ハイドの怒りを鎮(ちん)めよ・・・だな・・・」とこらえる新一。
蘭は本当にそう読むのと聞きますが、鎮魂歌の珍だから間違いないと新一は自信満々です。
怒りを鎮(ちん)めよと読んだ新一を笑う元太達。
元太は新一をバカにしていますが、光彦はともかく元太はちんとすら読めないでしょう。
続きを聞きたがる歩美や小林先生。
いつのまにかクラス中がコナンの話を聞いています。
遅くに家に戻って英理に怒られる蘭。
そんな中、小五郎は杯戸港の倉庫で殺人があったと現場に向かいます。
そして新一も英理から電話をもらった有希子に何をしに夜の学校に行ったのかと問い詰められています。
それを聞いていた優作は有希子をなだめて「怒りを鎮めて・・・」と声をかけました。
「それってもしかしてこんな字!?」と新一は財布にあった紙を優作に見せます。
何の紙か尋ねる両親に新一は学校の先生の作った暗号とごまかします。
「なぞなぞ好きの面白い先生」と言った優作は突然ゴールデンウィークに海に行くことを提案します。
なぞなぞ、海・・・このふたつのキーワードでコナンはあることに気が付きました。
次の日、阿笠博士の車で蘭と杯戸港に向かう新一。
「杯戸の怒りを鎮めよ」とは杯戸町で怒りを鎮められる場所、港を指していたのです。
朝早くから付き合わせていることを謝る新一。
阿笠博士は久々に仲良くしている蘭と新一を見られて嬉しいと言います。
小学校に入ってからふたりが一緒に遊ぶところをあまり見ていなかったからです。
「そんなことないよなぁ?」と言う新一に蘭は寂しそうな笑顔でうなずきました。
パトカーがたくさん止まっている杯戸港。
昨日ここで殺人事件があったことを思い出した蘭の言葉に新一はあの男が犯人ではないかと言いますが、阿笠博士は事件が起きたのが新一と蘭が学校に忍び込んでいた頃で、犯人はもう捕まったと言います。
「それより」とここで何をするのかと尋ねる阿笠博士。
新一は男の言葉から赤い物に手掛かりがあると言います。
辺りを見回した新一は、赤い消火栓に気が付きました。
見ると何かがはがれかかっています。
赤い紙です。
めくるとその紙には「トリヤの無実を晴らし御老公の肝を潰せ」と書かれていました。
とりあえず鳥矢町に向かう一同。
新一は阿笠博士に無実とは犯人ではないと言う意味であることを確認します。
それを聞いた蘭は犯人なら黒なのにと小五郎から聞いた警察用語を言います。
「黒じゃないってことは白・・・」とつぶやいた新一は暗号の意味は鳥矢城だといいます。
そして御老公は水戸黄門、その肝(内臓)をつぶすと言う事は水戸黄門から戸と黄を取ること。
つまり鳥矢水門に行けばいいのです。
鳥矢水門から辺りを見回す3人。
新一はカンカンという音のする方に目をやり、踏切を見つけました。
阿笠博士が踏切の信号の当たりを探しますが、何も出てきません。
「警報機が赤くなる前に見つかったら意味がない・・・赤くなってから見つかる場所は・・・」
新一が遮断機に目をやると、めくれている部分に気が付きました。
めくった紙には「オクホの証を消し去り濁った声で孤独を噛みしめろ」と書かれていました。
「工藤新一少年の冒険」ネタバレ 白昼
「オクホの証を消し去り濁った声で孤独を噛みしめろ?その紙にはそう書いてあったのね?」とコナンに尋ねる小林先生。
光彦達はオクホとは奥穂町の事だろうと考えつつも暗号全体の意味がさっぱり分かりません。
証とは印となるもの、と言う灰原の説明から小林先生は消印に気が付きました。
奥穂郵便局に向かう新一達。
まだ濁った声の意味は分かっていませんが、今まで暗号は赤い物に貼られていて郵便局にはポストがあるからです。
一方、新一の家を訪ねた英理。
新一が蘭を連れまわすと有希子に文句言いたげな表情です。
そこに顔を出した優作。
英理は警視庁から優作宛のお礼の電話があったと話します。
優作が怪盗を追い払って宝石を守ったのです。
しかし仕事に集中していた優作が電話線を抜いていたため親交のある毛利家に電話が行っていたのでした。
そして英理は弁護士としての初公判が来週にあるからと帰っていきました。
「そういえば、君も打ち合わせがあるんじゃなかった?」と有希子に尋ねる英理。
「ホラ、昔君が役作りのために弟子入りした奇術師と・・・」と言われた有希子はやっと予定を思い出しました。
ポストを探しても何も見つけられない新一と蘭。
その時、近くの店で店主と新聞配達に来た青年の会話が聞こえてきました。
「どうっスか?調子は?」と言う青年に「閑古鳥が鳴いている」と答える店主。
新一が阿笠博士に閑古鳥が鳴くの意味を尋ねると客が来なくて寂しい様子であること、そして閑古鳥とはカッコウの事と教えてくれました。
カッコウの鳴き声はカッコー。
「そいつを濁らせるとガヅコー・・・」とコナンと蘭は閑古鳥のなき声を濁らせると学校になるのに気が付きました。
この郵便局の裏には博士が通っていた奥穂中学校があると言います。
その通学路は曲がりくねっていて事故が多かったそうです。
そこなら赤い止まれの標識があるはずと新一は急いでそこに行こうと「行くぞ博士!毛利!!」と声をかけました。
「え?毛利?」と驚く阿笠博士。
実は学校で名前を呼ばれるのが恥ずかしくなった新一が蘭に毛利さんと呼ぶから工藤君と呼ぶように言っていたのです。
だからちょっとよそよそしくなっていたのですね。
そして通学路の止まれの看板。
その根元の棒に紙が貼られていました。
「米花中国士東」と言う暗号の書かれた紙。
米花は米花町として、後の意味はまだ分かりません。
「でもなんで最後の字だけ、四角で囲んであるのかなぁ?」と不思議がる蘭。
「あれ?これって・・・どっかで・・・」と新一が考えていると「蘭⁉」と後ろから小五郎が声をかけてきました。
小五郎は捕まえた犯人が以前奥穂郵便局にいたからとまだ警部補の目暮警部と一緒に事情を聞きに来ていたのです。
博士が作った暗号で遊んでいた、とごまかす新一。
蘭が難しいという暗号を子供だましの暗号なんてと小五郎が見ますが、小五郎も目暮警部補もさっぱりわかりません。
暗号が分からずも麻雀をしたくなったという小五郎と目暮警部補。
そして新一は優作から麻雀のルールを教わった際に東という字を見たことを思い出しました。
「工藤新一少年の冒険」ネタバレ 暗号の意味
暗号が麻雀と関係あると言う新一。
阿笠博士は中と東以外は麻雀牌にはないと言います。
新一は米と花は米花、四角で囲まれた東は卓の上に置く札で場を指すと答えました。
そして国と士は国士無双の「役」のこと、さらに中は国士無双の時の待ち牌の事。
これを続けて読むと「米花町役場」。
米花町には町役場はないので区役所の出張所の事だろうと言います。
しかし、出張所の周りにはそれらしい赤い物がありません。
阿笠博士が明日もゴールデンウィークだし今日はこの辺でと言うと、新一は今日が祝日であり、日の丸の旗が立っていることに気が付きました。
新一達が急いで屋上に上がって旗のついたポールを見ると、終と書かれた紙が貼られています。
めくるとそこに書かれていたのは「S→W」のみでした。
風見鶏の事ではないかという蘭の言葉に阿笠博士はふたりにSとWは方角を指す言葉だと教えます。
南→西というのは南から西を向けと言う意味ではないかと考えた3人が西を向くとそこには美しい夕日がありました。
「なるほど・・・そういうことか」と言う新一。
この暗号は優作が本ばかり読んでいる新一を外に出させるために作ったものだと言うのです。
そして園子にお化けの話をした男が図書室にいた男で、蘭経由で新一の耳にお化けの話が入ってその正体を確かめに行くようにしたのです。
こんなきれいな夕日が見られてよかったと言う蘭。
「オレもそう思うよ・・・蘭」と言った新一は慌てて毛利と言いなおしますが、蘭は「蘭のままがいい!!」と言います。
「オメーがそれでいいなら」と言われて喜ぶ蘭は、優作にお礼を言わなきゃと言います。
しかし新一はお礼を言うのならこの夕日の時間に来られるよう暗号を用意してきた優作の友人だと言います。
「おい!昨夜のおじさん!!」と叫ぶ新一。
財布に感想を入れて怪盗紳士の本の裏に隠すから取りに来るように言いました。
「ってなわけで・・・」と中に書かれた紙のことが分かったと言うコナン。
結局返事は取りに来ていなかったのです。
「でもその暗号を考えた人・・・最後にネタ切れしちゃったみたいね・・・」と小林先生は最後の暗号だけ手抜きだったと言います。
それを聞いて確かに夕陽を見るだけならWだけでもいいと新一は10年前の推理ミスに気付きました。
SとWは方角を示す記号だからとコナンは言った場所を地図記号に直しました、
港、城跡、水門、郵便局、中学校、町役場。
さらに郵便局の暗号の証が〇で囲まれたので記号から〇を消します。
そして最後の暗号だけ縦書きだったから、地図記号を縦に並べる。
最後に南を西にする、つまり書いた紙を右に90度傾ける。
すると地図記号がOXHIDE(牛革)と読めるようになりました。
コナンは財布の糸をかみ切ります。
するとそこには「Dear Yusaku」と書かれたメッセージが。
暗号を作った相手の目的は、暗号をとけない新一に優作を頼らせることだったのです。
しかし新一は大分頑張ったものの最後の最後にミスし、そこにいない男にお礼を叫んでいたのでした。
「工藤新一少年の冒険」ラスト最後の結末
10年前。
有希子が喫茶店で男と向き合っています。
優作が来れなくて残念と言う男、黒羽盗一。
とそこに突然少年がやってきてポンとバラを差し出しました。
「これやるよ!おばさんきれいだから」と言う少年は盗一に「コラ快斗」としかられます。
そして盗一は友人が優作に送った手紙の話をします。
その返事は預かったけど手紙とは言えないもの、という有希子に盗一は「!ひとつ・・・ですね?」と言います。
なぜわかったのか驚く有希子に盗一は「さすが、私の名付け親だ・・・」とつぶやきます。
牛側の財布の中には大きな?と「親愛なる工藤優作 怪盗1412号」と言う文字。
コナンは有希子から優作が1412をKIDと呼んだのが怪盗キッドと言う呼び方の始まりと言う話を思い出しました。
「だからアイツあの時・・・」と男が君の兄弟・・・いや弟と言うべきか・・・と言っていたことを思い出しました。
「でもどういう意味なんだ?このクエスチョンマーク」と不思議がるコナン。
怪盗キッドの?は「次は私を止められるかな?」そして優作の!は「もちろん」と言う意味なのでした。
本当に小1だった頃の新一。
賢いながらもどこかあどけなさや可愛い勘違いがあります。
そして新一と蘭の冒険は親世代の怪盗キッドと探偵の勝負に巻き込まれたものだったのですね。
それにしても小1の新一、女の子と仲良くするのが恥ずかしい時期があったとはちょっと意外な気もします。
そして現在の怪盗キッド、快斗はこのころからキザなのですね。